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静岡産業大情報学部(藤枝市)と県立大(静岡市駿河区)の研究者チームが、県内に茶の総合教育拠点になる「静岡茶学部」を創設する提言案を18日までにまとめた。産学を結ぶ場として茶産業へ国内外の多様な人材を供給し、静岡を名実ともに世界の“茶の都”にすることを目指す。

人材育成、教育拠点に
静岡産業大情報学部O―CHA学研究センターの堀川知広教授、県立大茶学総合研究センターの中村順行特任教授ら研究者6人が2014年度、日本と中国、韓国などの茶の教育事情を比較研究した成果を踏まえてまとめた。

提言案は茶の研究分野を(1)生産・加工(2)歴史・文化(3)医薬・食品(4)建築・造園(5)経営・流通―に体系化している。堀川教授によると、中国は生産・加工など4分野で日本より学部や科目数が充実している。また、日本国内には各分野を学ぶ教育機関はあるが、5分野を総合的に研究する学部はないという。

学部新設には国の認可が必要で、実現に向けたハードルは高い。研究チームはまず単位交換など既存の制度の利用を念頭に関係機関と連携し、体系的な教育環境の整備に取り組む。堀川教授は「茶の生産加工技術と効能の研究では日本が世界の最先端で、静岡はその中心。人材育成を充実することで静岡の茶産業が活性化する」と主張する。