学校では、今、一人一台のタブレット型PCの導入が始まっています。授業におけるタブレット型PCの活用方法は様々ですが、その一つに「個に応じた学習場面での活用」が挙げられます。
そのため、多くのソフトウェア会社からドリル型・独習型のソフトウェア(学習コンテンツ)が販売されています。しかし、それらにはいくつかの課題があります。
小学校の担任は、自分の学級の子供達にピッタリ合ったコンテンツを自分の力で準備をしたい、という思いを持っています。けれども多忙な先生方にはプログラミングをしたりオーサリングツールを一から勉強したりしてまで、それを実現するという選択肢はありません。
もっと先生方のニーズに合った、直感的にコンテンツが作れるツールはないものだろうかと探していました。
アイテスタロイドは習得に時間がかからず、ほとんど直感的にコンテンツを作ることができます。また、その内容も多様で作る方も使う方も楽しみながら操作できる点が気に入りました。事実、ゼミの学生に使わせたところ、1時間程度で問題の作成方法はマスターができました。
ゼミ生に小学校6年生を対象とした歴史の問題を作らせ、実際に小学校で使ってもらいました。単純な○×や選択問題だけでは無くパネルを組み合わせたりピンを移動したりといって多様な問題を作ることができ、小学生にも大変好評でした。
アンケート基本項目に対する児童の回答
そう思う | どちらかといえば そう思う |
どちらかといえば そう思わない |
そう思わない | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
楽しかった | 109 | 12 | 0 | 0 | 121 |
勉強になった | 94 | 26 | 0 | 1 | 121 |
またやりたい | 104 | 16 | 0 | 1 | 121 |
これは感想の単純集計ですが、クロス集計をしてみるとその効果が分かります。
勉強になる/書字の得意不得意
書字得意 | 書字不得意 | 総計 | |
---|---|---|---|
そう思う | 49 | 45 | 94 |
どちらかといえばそう思う | 14 | 12 | 26 |
どちらかといえばそう思わない | 0 | 0 | 0 |
そう思わない | 1 | 0 | 1 |
総計 | 64 | 57 | 121 |
普段「書くこと」が苦手な児童でも今回のような勉強には意欲を見せ、積極的に使ったことが分かります。
2つのことを考えています。
1つは、アイテスタロイドを用いて実際に現場の先生方に問題を作ってもらうことです。操作自体は1時間も研修を受ければ誰でも使えると考えます。そうなれば、後はコンテンツ(内容)の問題ですが、その点は学生よりも先生方の方がはるかに良いものを作って下さるでしょう。
その学級・学年で使える、オーダーメードの問題をそれぞれの学校で作ることができるようになればすばらしいと思っています。
二つめは、特別な支援を必要とする児童に対して、まさに「個に応じた」コンテンツを作ってみたいということです。同じ学習をする際でも、支援の種類や必要性は一人一人異なります。そうした児童の姿をよく見て、その子だけのためのコンテンツを簡単に作れたら良いと思います。例えば鉛筆が持てない児童、言葉を発することができない児童でもタブレット型PCならば使うことができる。そうした表現力や操作性がありますから、それを活かした取り組みをしていきたいと思っています。